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Behind Bunka

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「Behind Bunka」では、文化芸術を支える“裏方の役割”にスポットライトを当て、ご紹介しています。
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記事一覧

諦めることのない連携プレーをどんな作品でも貫きたい/舞台監督の仕事

“プロ中のプロ”として、さまざまな芸術作品の土台づくりを担うプランナー&スタッフに迫る「Behind Bunka」。今回は、創作の過程すべてを把握し見守る舞台監督の仕事について深掘りします。取材させていただくのは、幼い頃から「つくる」喜びにめざめ、長じて故 蜷川幸雄さんの薫陶を受けた足立充章さん。現在上演中の舞台『台風23号』、その制作開始から間もない2024年9月初旬に、稽古場でお話をうかがいました。個性豊かなアーティストの創作に寄り添い、共に歩む仕事人のこだわりと喜びとは

戯曲を読み込み、俳優が舞台で何かを起こすための「設計図」を描く/翻訳家の仕事

文化芸術を支える“裏方の役割”にスポットライトを当てる「Behind Bunka」。第4回は、海外戯曲の翻訳家に迫ります。アーサー・ミラー、テネシー・ウィリアムズなど20世紀を代表する大劇作家から、トム・ストッパード、サイモン・スティーヴンスなど現在も活躍中の劇作家まで、幅広い作品の翻訳を手がける広田敦郎さんにお話を伺いました。芝居の骨格となる台本=戯曲翻訳の世界とは? “設計図”としての戯曲9月に上演されるキャリル・チャーチル作『A Number ─数』『What If

何ものにも代えがたい場所で、特別な映画を届ける喜びと責任/プログラマー(番組編成)の仕事

文化芸術を支える“裏方の役割”にスポットライトを当てる「Behind Bunka」。第3回は、プログラマー(番組編成)です。Bunkamuraル・シネマから、現在のル・シネマ 渋谷宮下にわたりプログラミングを担っている中村由紀子さんと野口由紀さんの二人に、デジタル化に伴う変化や、映画館のカラーを決める編成の仕事だからこその難しさや、これまでのエピソード、大切にしていることを聞きました。 映画館のカラーを決める編成の仕事コンサートホールや劇場、美術館などの施設やカフェ・ショッ

技術だけでなく心も後輩たちに伝える、責任の重さと誇り/床山の仕事

華やかな歌舞伎の舞台が生み出されるまでには、たくさんの凄腕職人たちの力が欠かせません。輝かしい瞬間は彼らの存在があってこそ成り立つのです。そんな大切な仕事を担う職人さんたちの中から、今回は床山さんにお話ししていただきました。東京鴨治床山株式会社の鴨治忠司さんは伝統の技を継承し、第一線で活躍する床山さんです。 時代の風俗に合わせて鬘を作る鬘(カツラ)作りは、まず鬘合わせと言って、鬘屋、床山、役者が集まって相談しながら、役者さんの頭の形に合わせて、土台を作ります。そこへ毛を植え

フィルムからデジタル上映に移っても変わらない役割と誇り/映写技師の仕事

文化芸術を支える“裏方の役割”にスポットライトを当てる「Behind Bunka」。第1回は、映画館のスクリーンに映画を投影する映写技師です。1982年から映写技師として活動し、渋谷パンテオン、町田とうきゅうル・シネマ、厚木ミロード、上野東急、池袋東急などで勤務し、現在のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下を含めて映写技師歴42年になる秋元考夫さんが登場。実際にフィルムを触ってきた映写技師さんだからこそのエピソードを聞きました。 映画作品を、スクリーンを介して観客へ届ける