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クラシック音楽界の若き才能たちにチャンスを!『未来の巨匠コンサート』

Bunkamuraが“文化・芸術の新たな担い手の発掘”の一環として1992年からスタートした『未来の巨匠コンサート』。2024年は10月13日にオーチャードホールで開催し、ヴァイオリニストの若尾圭良とピアニストの奥井紫麻という将来を嘱望される “未来の巨匠”たちの演奏をお届けいたします。そこで今回は、過去に出演したアーティストたちを振り返りながら『未来の巨匠コンサート』の歴史と意義について紹介します。


国内外の優れた若手音楽家を日本に紹介する場としてスタート

文化・芸術が時代を超えて発展し続けていくには、現代シーンの第一線に立つ芸術家や音楽家たちの活躍だけでなく、次世代を担う若手たちの成長も欠かせません。そしてそのためには、新たな才能が“未来の巨匠”へと飛躍できるような環境と機会が必要となります。それはクラシック音楽も同じです。
1989年の開業以来、Bunkamuraは「ジャンルを越えて良質の文化を創造し提供するホール、劇場、映画館、美術館としての“発表の場”」に加えて「あらゆる可能性を応援し育てる、新しい文化の育成のための“創造の場”」というコンセプトを掲げ、若い才能への支援と機会の提供につながる継続性のある取り組みを進めてきました。その一つとして、海外の伝統的な国際音楽コンクールや音楽学校と提携し、Bunkamuraの活動を支えるオフィシャルサプライヤーの支援のもと、優れた音楽家に日本での演奏機会を提供する『Bunkamuraオーチャードホールアワード』を1992年から2000年まで実施。さらに、アワードの受賞者が出演する『未来の巨匠コンサート』もオーチャードホール他で開催してきました。
歴代の受賞者に名を連ねるのは、現ベルリン・フィル首席フルート奏者のエマニュエル・パユ、日本を代表するヴァイオリニストの一人である戸田弥生、クラリネットの世界的な名手シャロン・カム、天才チェリストと称されるタチアナ・ヴァッシーレヴァ、世界のトップ歌劇場の常連バリトン歌手マルクス・ヴェルバ、元ニューヨーク・フィル音楽監督の指揮者アラン・ギルバートなど、現在も第一線で活躍する音楽家たちがズラリ。そんな彼らがフレッシュな演奏を披露する『未来の巨匠コンサート』もまた、クラシック音楽界の確かな未来を予感させるものとして好評を博しました。

国内の若手奏者が飛躍するチャンスとして23年ぶりに復活

次世代を担う世界の音楽家たちを紹介する『未来の巨匠コンサート』は2000年でいったん幕を閉じましたが、Bunkamuraではこれからの活躍が期待される国内の若手奏者たちに飛躍のチャンスを積極的に提供するため、装いを新たにして2023年に復活。オフィシャルサプライヤースペシャル『未来の巨匠コンサート』として開催しました。
オーチャードホールの舞台に立ったのは、海外のジュニア国際コンクールで優勝するなど頭角を現しているヴァイオリニストの村田夏帆と、ジュネーヴ国際音楽コンクールで第3位を獲得した実力派ピアニストの五十嵐薫子という2人の新星。フランチャイズ・オーケストラである東京フィルハーモニー交響楽団と首席指揮者アンドレア・バッティストーニとのコンチェルト競演に挑んだ2人は、それぞれ“未来の巨匠”を予感させる堂々とした演奏を披露しました。

将来を期待される“未来の巨匠”五十嵐薫子と村田夏帆をソリストに迎え、アンドレア・バッティストーニ(指揮)と東京フィルハーモニー交響楽団との共演で開催した『未来の巨匠コンサート2023』。五十嵐薫子がベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番を、村田夏帆がシベリウスのヴァイオリン協奏曲を演奏し、それぞれ堂々としたパフォーマンスでオーケストラと渡り合いました。

そして来たる10月13日、今年は東京フィルと指揮の大友直人をホストに迎え、再びオーチャードホールで『未来の巨匠コンサート2024』を開催。ヴァイオリニストの登竜門と言われるユーディ・メニューイン国際コンクールジュニア部門で優勝を果たした若尾圭良と、ロシアで才能を育まれ数々のコンクールを制覇したピアニストの奥井紫麻が出演します。無限の可能性を秘めた次世代のクラシック界の担い手たちが魅せる“今”と“未来”を体感してはいかがでしょうか。

写真:K.Miura

〈公演情報〉
Bunkamura オフィシャルサプライヤースペシャル
未来の巨匠コンサート2024
Discover Future Stars
2024/10/13(日)
Bunkamuraオーチャードホール

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