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演劇(ビギナーのための鑑賞ガイド②)

コンサートホールや劇場で生のコンサートやお芝居を体験してみたいけど、初心者だと分からないことが多く、何となく敷居の高さを感じてしまう…。そうした不安を払拭して最初の一歩を踏み出すきっかけになるよう、初めて文化芸術を楽しむための入門知識をまとめた企画「Start! Bunka ビギナーのための鑑賞ガイド」。第2回は演劇を楽しむコツや鑑賞時の基本的なマナーをご紹介します。


演劇の公演を選ぶポイントは?予習は必要?

演劇はやはり生の観劇が格別! 俳優たちの迫力の演技や息づかいを目の前で感じることができます。ノーカットで進んでいく物語を俳優と観客とで共有する時間と空間。その一体感や臨場感は、同じ演目であっても一期一会です。
初めて劇場で観劇するという方が演目を選ぶにあたって、まずはテレビや映画で気になった俳優が出ている公演から入ってみてはいかがでしょうか。作品に親しみやすく、目の前の迫力ある演技にいつしか引き込まれるはずです。また、読んだことのある物語を題材にした演目も馴染みやすいのでおすすめ。同じ演目でも演出家や出演者が変わればまったく違う作品になるので、見比べてみるのも一興でしょう。
そして演目を選んだら、公演を楽しむために事前の“予習”をしておきましょう。予習と言っても、ホームページなどで演目の簡単なあらすじやテーマを読むだけで十分。それだけでも観劇中にストーリーの理解に意識を取られず、舞台に集中しやすくなりますよ。さらに、元になる戯曲や物語がある場合は、可能な限り事前に読んでおくことをおすすめします。ストーリーが頭に入りやすくなり、「今回の舞台ではこんな解釈で表現しているのか」といった発見も楽しめることでしょう。

観劇での席選びのポイントは?

演劇では座席の種類が複数ある公演もあり、どの座席で鑑賞すればいいか、そもそもどんな基準で座席を選べばいいか、初めての観劇だと迷いますよね。
座席はステージからの距離や位置によってS席、A席、B席、C席などの席種が用意されていることが一般的です(席種が1種類の場合もあります)。その中でも“良い席”の定義は、ご覧になりたい目的によって変わってきます。舞台上の俳優の表情までよく見え、より高い臨場感を味わえる1階前方。ステージ全体が視野に入り、舞台デザインも鑑賞しやすい1階後方。舞台全体を俯瞰して見渡すことができる2~3階席。斜め方向から見下ろす形になりますが、独特の角度から舞台を俯瞰できるバルコニー。劇場によっても見え方が異なりますし、それぞれの席に特徴があるので、何度か通って自分好みの席や劇場を探してみてください。

観劇マナーは?どんな服装で行けばいい?

演劇の公演全般において、観劇中に会話や音を立てることは控えましょう。俳優たちの素晴らしい演技に感動し、その気持ちを伝えたい場合は、終演時のカーテンコールで惜しみない拍手を送りましょう。
なお、基本的に客席内での飲食、撮影・録音・録画は禁止。携帯電話・アラーム付き時計など、音の出る電子機器の電源は切っておきましょう。あと、意識したいのが鑑賞時の姿勢。正面席は前のめりに座ると後方のお客様の視線をさえぎることになるので、座席の背もたれに背中を付けた状態で座りましょう。公演によっては客席内飲食が出来るなど禁止事項も異なりますので、事前に公演のホームページでご確認ください。他にも分からないことや鑑賞中に困ったことがあれば、案内スタッフに相談してみるとよいでしょう。
劇場に初めて足を運ぶ際、「どんな服装で行けばいいか」と迷ってしまう方もいるかもしれませんが、基本的に演劇の劇場において決まったドレスコードはありません。長時間座っても疲れないよう普段から着慣れたカジュアルな服装で大丈夫です。なお、周囲の方への配慮のため、帽子は開演中には脱いで、香りの強すぎる香水は避けた方がよいでしょう。

会場で快適にお過ごしいただくために/チケット購入方法

公演当日に最低限必要なものはチケットですが、会場内の空調の寒暖の感じ方には個人差があるので、ショールやカーディガンなど軽く羽織って体温調整を行えるアイテムや、咳やくしゃみが出てしまう時に口元を押さえられるハンカチもあると便利。他にも、俳優の表情や仕草まで細かく観察できるオペラグラス、公演前後に購入したグッズを入れるエコバッグなど必要に応じて持参しましょう。
チケットは、おもに各プレイガイドや公演会場のチケットカウンターなどで販売されます。販売方法は公演によって異なるので、詳しくは主催者のホームページをご覧ください。Bunkamura主催公演では、オンラインチケットMY Bunkamuraをはじめ、Bunkamuraチケットセンター(電話)・東急シアターオーブ/Bunkamuraチケットカウンター(店頭)または各プレイガイドでのご購入、ご予約が可能です(詳細はBunkamuraチケットガイドでご確認ください。)。公演によっては学生向けのシートや料金を用意しているものもございますので、こちらも公演のホームページでご確認ください。また、残席状況によっては会場で当日券が販売される場合があるので、事前販売でチケットが完売になってもあきらめず公演のホームページをこまめにチェックしてみてください。

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