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実は気軽に足を運べる!ギャラリーの楽しみ方

アートを鑑賞できる代表的な場所として、美術館のほかにギャラリー(画廊)があります。しかし、ギャラリー特有の空気感に緊張を感じ、何となく入りづらいと思っている方も少なくないのでは? そうした敷居の高さを払拭できるよう、今回はギャラリーがどんな空間で、どうやって楽しめばいいか解説しましょう。

美術館とギャラリーの違いは?
魅力は“作品や作家との近さ”

ところで、美術館とギャラリーは何が違うのでしょう? いずれも絵画などの芸術作品が展示され鑑賞できる空間ですが、美術館が作品を収集・保存・展示する施設であるのに対し、ギャラリーは作品を展示・販売する施設。つまり、展示作品を購入できるかどうかが大きな違いです。また、ギャラリーはほとんどが入場無料で気軽に足を運ぶことができ、作品との距離も美術館と比べて近いので、より臨場感をもって鑑賞を楽しめることも魅力です。
他にも、展示作品においても違いが見られます。美術館がすでに一定の評価を確立した作家の作品を展示するのが一般的なのに対して、ギャラリーでは評価が高まる可能性を秘めた新進気鋭作家の作品を展示する機会もあり、新しい感性や個性を発見しやすい場になっているのです。さらにギャラリーは会期中に作家が在廊していることもあり、タイミングが合えば作品について直接話を聞けるかも!
このように作品や作家との距離の近さが魅力のギャラリーですが、空間がコンパクトゆえスタッフの存在が気になって緊張するという方もいるかもしれません。しかし、スタッフも作品を存分に楽しんで欲しいと思っているため、お客様の鑑賞の邪魔になるような接客はしません。そして、作品や作家について気になったことなども身構えずに声を掛ければ、皆丁寧に詳しくお話してくれます。より作品への理解を深めた上で、もし気に入った作品があり「これを自宅に飾ったら素敵だろうな」と思ったら、気軽にスタッフに声を掛けてください。

Bunkamura Gallery 8/ オープニング記念 第一弾
「Opening Selection -Bright,Calm,Dark- Vol.3 Dark」会場風景
ギャラリーは美術館と比べて空間がコンパクトで、展示作品を間近に鑑賞することができます。一般的にはギャラリー内に決められた順路はないので、気になった作品から順に見ていくのもよいでしょう。

ギャラリーで作品鑑賞を
楽しむためのコツ

続いて、ギャラリーでの作品鑑賞の楽しみ方についても触れましょう。

Q.芳名帳は絶対書かないといけないの?
ギャラリーでよく見かける「芳名帳」。これは、来場者が氏名・住所・メールアドレスなどを記入するためのもので、連絡先を記入することによってギャラリーや作家の次回以降の展覧会をDM やメールで案内してもらえる場合もあります。ただし、芳名帳への記帳は任意なので、書かなくても問題ありません。

来場者が名前や連絡先を記入する芳名帳。作家やギャラリーにとっては「誰が足を運んでくれたか」を把握することができ、また来場者にとっても作家やギャラリーの次回以降の展覧会情報を受け取れることがあるというメリットがあります。

Q.どうやって作品を鑑賞すればいい?
施設の規模にもよりますが、ギャラリーには美術館のような順路はないので、気になった作品から自由に鑑賞しましょう。作品について質問したいことがあったら、ギャラリーのスタッフや在廊している作家に気軽に声を掛けてみてください。また、せっかく展示作品を購入できる場所なので、「実際にお家に飾ったらどんな感じだろう」とアートと暮らす生活を想像しながら鑑賞するのも楽しくておすすめです。

Bunkamura Gallery 8/ オープニング記念 第三弾
「1+1 奥村彰一+高嶋英男」 会場風景
展示作品を鑑賞していて「この作品のテーマや見どころは何だろう」といった素朴な疑問が湧いたら、ぜひ会場のスタッフに気軽に声を掛けてみましょう。もしも運良く作家が在廊していたら、本人に直接尋ねてみては?

Q.ギャラリーでのマナーは?
「作品に触れない」「会場内で飲食しない」「大声で話さない」など基本的には美術館と同様です。作品の撮影が可能かどうかはギャラリーによってルールが異なるので、スタッフに尋ねてください。なお、ギャラリーは美術館よりも展示作品との距離が近いため、リュックやバッグなどの手荷物が作品にぶつからないよう注意が必要。大きな荷物などでどうしても危ない場合は、スタッフに預かってもらいましょう。

「第26回 笹尾光彦展 花のある風景」 会場風景
ギャラリーには絵画だけでなく、彫刻やクラフト、写真などさまざまなジャンルの作品が展示されます。また、美術館の展覧会よりも入れ替わりのサイクルが早いので、頻繁に足を運ぶことをおすすめします。

美術館は行ったことがあるけど、ギャラリーは敷居が高くて及び腰になってしまう…という方も、まずは一度足を運んでみてください。ギャラリーは気軽に感性を磨くことのできる空間で、きっと新しいアートの魅力に触れることができるはずです。そして気に入った作品が見つかったら購入し、日々の生活をアートで豊かに彩ってみてはいかがでしょうか。

文:上村真徹


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